写真初心者向け風景写真– 基本テクニック編 –

広角レンズの魅力を活かす風景写真のテクニック

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ちょろ
ちょろ

今回は『広角レンズ』を使用した風景写真についてお話するよ

ミケ
ミケ

広角レンズってどんな風に使うの?

ちょろ
ちょろ

名前の通り「広く写すことができる」のが広角レンズなのだけど
いろいろ特徴のあるレンズなので風景写真を撮影するのなら
1本は持っておくと良いレンズだよ

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はじめに:「広角レンズとは」

広角レンズとは人間の目で感じるよりも広い範囲を撮影することができるレンズのことで、一般的に広角レンズは、一般的に焦点距離が35mm以下のレンズを指します。

焦点距離とは、レンズの中心点から撮像素子(イメージセンサー)までの距離のことです。広角レンズは焦点距離が短いため、写真の画角が広くなり、広い範囲を撮影することができます。

例えば、広角レンズの一つである24mmレンズは、被写体をより広く写し込むことができます。
焦点距離がさらに短いレンズである魚眼レンズ(フィッシュアイ)は、非常に広い画角を持ち、周囲の風景を歪ませた独特の効果を生み出します。

ただし、注意点として、広角レンズを使うと被写体の形が少し歪んで見えることがあります。これは広角レンズの特性であり、クリエイティブな効果としても活用されます。
レンズに記載された焦点距離は、フルサイズセンサー搭載カメラを基準とした数値です。APS-Cセンサーやマイクロフォーサーズ搭載カメラでは、焦点距離に倍率をかけて35mm判換算の焦点距離を求める必要があります。

広角レンズを使って撮影すると、広い範囲を写し込みながら被写体を大きく写すことができます。初心者の方でも広角レンズの魅力を体験してみてください。

広角レンズで風景を撮る方法

広角レンズの持ち味は、文字通り「広く写すことができる」のが最大のメリットです。
焦点距離10mm台のレンズになると、人間の視野角よりも広く写すことができるので、日の目には見えないカメラでしか見ることのできない世界を写真に残すことができます。
ただ漠然と広い風景になってしまうと何を見せたいのか分かりづらくなるため、広角レンズの特性を知りそれを風景写真に生かす必要があります。

広く映るという以外にも3つの特徴があります。

  • 画面周辺部が歪んで写る「デフォルメーション
  • 画面手前から奥までシャープにピントの合う「パンフォーカス
  • 近いものはより大きく写り、遠くのものはより小さく写る「パースペクティブ

このような現象や効果はレンズが広角寄りになるほど強い傾向があるためそれを意識しながら撮影することが大切です。

では具体的にどのように広角レンズを使用し風景写真を撮影すればよいかを解説していきます。

主役のボリューム感を強調する

広角レンズを使うと、主役となる被写体をより大きく写し込むことができます。

浜辺に咲いていたハマユウに広角レンズ 17mm でグッと近づき撮影しました。
ハマユウの存在感が増し、主役が明確になります。

風景写真で主役となる要素を選び、それをフレーミングの中心に配置してみましょう。
主役を中心に据えることで、その存在感とボリューム感を際立たせることができます。

これは広角レンズの特徴である近いものはより大きく写り、遠くのものはより小さく写る「パースペクティブ」を生かしたものです。

パースペクティブを生かした写真とは、被写体や風景の遠近感や奥行きを効果的に表現する写真のことを指します。パースペクティブは、物体が遠くにあるほど小さく見えるという視覚的な現象です。この効果を利用して、写真に立体感や奥行きを与えることができます。

こちらは標準レンズでハマユウを撮影したものになります。
上の写真に比べ漠然と花と背景が写っていて、どちらが主役なのか分かりづらくなります。

背景を使って主役を引き立たせる

広角レンズは広い範囲をカバーするため、背景要素を効果的に取り入れることができます。
背景の山々や空、水面などの風景をうまく使い、主役の被写体を引き立たせましょう。

背景と主役の相互作用により、写真に奥行きとダイナミズムを与えることができます。

ヤナギランを主役にして背景に霧の漂う森を配置しました。
こうすると霧のしっとりとした背景に群生するヤナギランが際立ち奥行き感が生まれます。

こちらも広角レンズで撮影していますが、主役が明確ではなく何を写したいか分かりづらい写真です。
また背景もあいまいなため写真から奥行き感を感じられません。

前景の強調する

広角レンズは近くの被写体を大きく写し込む特徴があります。
前景の要素を取り入れることで、写真に立体感や深みを与えることができます。

例えば、花や岩などの前景要素を意識的に配置し、風景全体を構築しましょう。
前景と背景のバランスを考えながら、写真に奥行きと鮮烈さをもたらします。

少し離れた場所から撮影すると日の目で見たような写真を撮ることができます。
広角レンズを付けているときは近い被写体に近づき、広角レンズの特性を生かした写真を撮影してみてください。きっと今までみたことのない写真の世界が広がります。

遠近感を強調する

広角レンズを使用することで、風景写真に遠近感を生み出すことができます。
遠くの被写体を小さく写し、近くの被写体を大きく写すことで、写真に奥行きと開放感を与えることができます。
遠くの山々や建物、前景の要素との対比を意識しながら、風景の奥行きを表現してみましょう。

レンズの歪みを使った写真

広角レンズは極端に使うと画面周辺部が歪んで写る「デフォルメーション」で、被写体の形状が歪んで見えることがあります。
この歪みは、クリエイティブな効果として利用することができます。

魚眼レンズ

広角レンズの中でも魚眼レンズは、特徴的な広い視野と強い曲線的な歪みを持つ特殊なレンズです。
広範囲な風景や被写体を効果的に捉えることができる広い画角が特徴であり、約180度以上の視野をカバーします。
また、魚眼レンズは中央部分がやや拡大され、周辺部分が強く歪むため、写真に独特な視覚効果が生まれます。この歪みにより、被写体が画像の中心から外れた位置にありながらも大きく写るため、対称的な構図を作ることができます。
魚眼効果によって被写体が球体のように見えることもあります。さらに、魚眼レンズは強い遠近感を生み出し、近くの被写体が大きく、遠くの被写体が小さく見えるため、奥行きや立体感を強調した写真が撮影できます。

魚眼レンズはその特異な視覚効果を活かし、クリエイティブな写真表現やアーティスティックな作品を追求したい場合に好まれます。しかし、その特有の歪みを利用する際には慎重な構図や被写体の選択が必要です。魚眼レンズは写真に個性と独自性を与える強力なツールです。

魚眼レンズをほぼ平行にして使用するとデフォルメーションは少し弱まり超広角レンズとして使用することができます。

魚眼レンズを下向きにすることでデフォルメーションにより水平線が歪みます。
好き嫌いが分かれますが、撮影者と意図を写真に持たせることができます。

まとめ

広角レンズを使って風景を撮影すると、主役のボリューム感を強調し、背景や前景の要素を活かした奥行きと立体感を作り出すことができます。遠近感やレンズの歪みを使った表現は、写真に独自の効果を与えることができます。これらのポイントを意識しながら、広角レンズを使って風景写真を楽しんでみてください。

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